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ルナールの「にんじん」です。
この本の中身、子ども(にんじん)の虐待経験がこれだけ読む人の気分を悪くするほどのリアリティを持っているのは、
ルナール自身の体験がこの物語の根幹となっているから、、というか、経験していなかったらこれは書けない。
何もオススメで気分を悪くするほどのものを載せたわけではなく、彼の書く内容は正直私にとっては理解・共感できるものが多いのだが(僕は動物には向かなかったが、、^^;)、ルナールにはもう少し先の(にんじん)まで書いてほしかったな〜という思いがあるのでオススメします。
にんじんには、母親の支配から逃れ、父親との会話で何かしらの共感や承認を受けたことの喜びから進んで、この母親への理解と愛情を持つようになるところまで行ってほしかったな〜というのがあります。
こんなに小さい時から、ひどい虐待を受けたので、目を背けたくなるような支配のもとで苦しんだから、だから誰々が悪いだとか、何々が酷いとか、これは社会問題的に何々に当て嵌まるとか、、、
こんな状況にいる子どもには、そんな理解や理屈は何の役にも立たないし、大人の自己満に過ぎない解説は、おねしょをした布団から搾ったものでスープを飲ませるような行為と同じ^^
こんな経験をしている子どもはその環境から抜け出すことは困難で、ほとんどが彼ら自身の我慢と成長に賭けるしかないのが実情。
だからこそ、にんじんのその後では、こんな子ども時代を過ごしていても、こんな環境に置かれて助けてくれる人が居なくても、その母親を愛せるように、大切に思えるようになる事や、経験した人にしかわからないもので寄り添える人が増えることの喜びまで書いて欲しかったんやな〜〜〜^^
にんじんを読む皆さんが、どんな読後感を持つのか、この本にどんなものを更に求めるのか、楽しみです^^
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