春宵十話(岡潔)

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春宵十話(岡潔)

この本の初版は僕が生まれた年、昭和44年。
岡潔は天才数学者と言われているが、数学云々よりも、この人の書く文章が好きだ^^
何度読み返しても面白い。

「スミレはただスミレのように咲けば良いのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないところだ」^^という文章に惹かれた中学時代、、、

俺が俺がで目立つ事だけ最優先、理論や知性が最も重要で、相手を打ち負かして論破すること、拝金主義のバブルに塗れていた中で、ひっそりと岡潔の情緒を心の奥にしまっていた高校時代、、、

多くの挫折や困難、災害や事故などを経験した中で、人との関わり、他人の笑顔やそれを生み出す自らの行動が、今の自分を作り出す情緒となっていった大学時代以降、、、

岡潔が語る批判的な部分や、感覚的な部分で合わない箇所も多々あるが、この人の本で多くを学び今へと結ぶことができた傑作です^^
一編一編が短く、すぐに読めますが深みにハマると数日、いや数ヶ月考えます(笑)

ぜひ死ぬまでにお読み下さい^^